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『凱歌』/告知フライヤー

ハンセン病の元患者とその家族を9年間にわたり記録した、ドキュメンタリー映画『凱歌』の劇場公開告知フライヤーです。差別や隔離の歴史を伝えるだけでなく、過酷な状況のなかでも他者を愛し、自らの人生を生き抜く人々の姿が伝わるデザインを目指しました。

表面は余白を大きく設け、タイトルと主人公の写真を中心に構成しています。満開の花に手を伸ばす姿を大きく見せることで、作品が扱う歴史の重さと同時に、生きる喜びや希望を感じられるビジュアルとしました。

タイトルの「凱歌」は、整いすぎない既存の文字にアナログ加工をして表現。二色のピンクを交差させることで、深い痛みと人の温もり、過去と現在が重なり合う物語を象徴しています。縦組みのコピーと組み合わせ、静かでありながら強く訴えかける画面をつくりました。

裏面では、作品の背景、主人公の言葉、識者からのコメント、ハンセン病の解説など、多くの情報を整理して掲載しています。写真と文章をブロックごとに分け、関心を持った箇所から読み進められる構成としました。右端の大きな縦書きコピーがページ全体を貫き、情報量の多い紙面にも一本の強いメッセージを通しています。

色彩は、タイトルや花の色と呼応するピンクから深い赤を基調に統一。温かさだけに寄りすぎない深い赤を用いることで、愛や生命力とともに、差別や人権問題に向き合う作品の緊張感も表現しています。

歴史的事実を伝える資料性と、一人ひとりの人生に目を向けてもらう情緒性を両立させ、映画を「知る」ことから「観たい、考えたい」という行動につなげる告知フライヤーとして設計しました。


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